イケメンSPに守られることになったんですが。


延期でもへこむ。


中止になったら、もっとへこむ。


それって、今まで準備したことが全部パアになってしまうわけで、出版社には少なからず損失が出るんだろう。


そんなトラブル作家、もう相手にされないじゃん。



「……やだ……」


「すみません」


「早く犯人捕まえてください!
テロを世界からなくしてー!!」



うわああああ。


私は大声を上げて泣いた。


大人たちがうんざりした顔してる。


あんたたちは良いよ。公務員試験受かって、警察官になってんじゃん。
生涯安定してんじゃん。


私にはねえ。これしかなかったんだよ。


何にもなくて、毎日ぎりぎりのところで自分を保つのに精一杯で、

でも本を出せることになって、やっと、生きてて良かったなって思ったのに。


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