イケメンSPに守られることになったんですが。
ぼろぼろと、壊れたおもちゃみたいに、次から次へと涙が零れ落ちていく。
「うっ、ふええ……っ」
そんな、ありがとうだなんて。
誰にも、言われたことなかった。
嬉しい……。
私、感謝されるようなこと、ひとつもしていないのに。
かわいくもないし、性格はムラがあって、正直面倒くさいでしょう?
それなのに、私の『存在に救われる』なんて……。
そんなこと言ってくれるの、あなたしかいないよ。
「あーあ……きったねぇな……」
涙と皮脂でベタベタになったメガネを、リョウさんがそっとはずし、ヘッドボードの小棚に置く。
「あ、あ、ありがとう……」
「あぁ?」
「私のほうこそ、いつも、守ってくれて、ありがとう……」
「…………」
涙で、リョウさんの顔がぼやける。
私は一生懸命それを手でぬぐう。
どうしよう、止まらない……。
「ありがとう……リョウさんも亮司さんも、大好き……」
気づけば口が勝手に、そんなことを言っていた。