イケメンSPに守られることになったんですが。
**
……よく寝た……。
まぶたに朝日が差し込み、何度か小さくまばたきをする。
が、なんだか体がだるくて、なかなか起きられない。
どうした?
……昨日、リョウが中園さんを車に乗せて出発するところまでは覚えている。
そのあと俺は意識を休ませるために、リョウの奥底で眠っていた。
で、今朝交代するはずで……。
……それで?
なんでリョウのやつ、引継ぎに来ないんだ?
どうして、俺が前面に出た状態で体が起きる?
こんなことは初めてだ。
いつもリョウは、俺が眠っていたときの記憶を引き継いでから、自分が奥底に入って眠りにつく。
それと同時に、俺が体を動かすはずなのに……。
なにかが、おかしい……。
休んでいたのは俺の意識だけであって、体はリョウが使って中園さんを警護していたはず。
「っ、中園さん……っ!?」
まさか俺は、警護を放って寝ていたんじゃあ……!?
がばりと飛び起きると、体を支えた手の下に、ぐにゃりとした奇妙な感触があった。
え……っ?
手元を見て、一瞬思考がフリーズする。
そこには、すやすやと眠る中園さんの白い腕があったのだ。