イケメンSPに守られることになったんですが。
「中園さん、大丈夫ですよ」
何が大丈夫なのよ。
私が書いたとおりのテロリストに命を狙われたら、私はそのうち、死ぬんじゃん。
学校一、短距離走のタイムがぶっちぎりで遅かった私なんて、ハタチ越えてどんどん体力落ちてるし、きっと簡単に殺されるだろう。
楽しみにしてた自分の本が出るのも、見れないまま……。
「公安が手を尽くして、捜査をしてます。
あなたのことは、我々に任せてください」
ん?
さっきから公安が、公安がって言ってるけど、この人たちは公安警察じゃないわけ?
そういえば、高浜さんが最初に、
『警視庁警備部警護課』って、言ってたっけ。
泣きすぎてぼんやりした頭のまま、私は高浜さんの心地よい高さの声を聞いた。
「我々は、警視庁警備部警護課の者です。
テロリストに狙われているあなたを、警護します」