イケメンSPに守られることになったんですが。
11・修羅場なんですが。


「……ん、う……」



隣でガサゴソと音がする。


それに起こされて、私はだるい体で目をこすった。


ああ、またメイクしたまま寝ちゃった……。


なんでだっけ……?


あーそうだ、合コン行って、やっぱりお酒に飲まれて、変な人に絡まれて、リョウさんが助けてくれて……。


昨夜のことを一気に思いだすと、顔から火が出そうになった。


そうだ。


私、リョウさんと……。


まばたきして目を開けると、そこにはすでに上半身を起こした……亮司さんがいた。


なんか戸惑ったような顔をしてるから、多分亮司さんだろう。


明るくなった部屋で、昨日は見えなかった彼の体の無数の傷が、よく見えた。



「……はよ、ございます……」



自分でもマヌケだと思うけど、とりあえず挨拶。


その声がかすれているのに気づき、恥ずかしいと思う間もなく……。


亮司さんの顔から、さあっと血の気が引いていった。



「あ、の……中園、さん……」


「はい……」


「こ、こ、これは、いったい、どういう……成り行きで……?」



…………え?


まさかリョウさん、何も言ってないの?


亮司さんは事態が……起こったことは察したみたいだけど、そうなってしまった経緯に見当がつかないらしく、完全に『酔って知らない女とやっちまった』状態な顔をしている。




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