イケメンSPに守られることになったんですが。
「何も……聞いてないんですか?」
思わず起き上がると、亮司さんはのけぞりながら答える。
「き、聞いてないです。
しかも、昨夜はどっぷり奥底に沈んでいたので、あなたが行きの車に乗っていったところまでしか覚えていません。
さっきから何度も起こそうとしているんですが、リョウのやつ、全く返答がなくて……」
亮司さんは自分の頭をガツガツ殴りつける。
その姿を見て、今度はこっちの心臓が凍っていくような気がした。
「あ、あの……ひとつ確認したいんですが」
「はい……」
「まさか、リョウは、その、ムリヤリ……あなたを……」
「そんなことないです!」
ムリヤリなんて、そんな。
「むしろ、私から誘ってしまったというか、リョウさん曰く安全装置を外してしまったんです」
いくらリョウさんが強引なひとでも、ムリヤリ女の子を押し倒すようなこと、するわけない。
「安全装置って……」
亮司さんは額を押さえて、うつむいてしまった。
どくんどくんと、胸が不吉なリズムを刻む。
ねえ……なんとか言ってよ。
お願い……。
「と、とにかくっ」
亮司さんは初めて、私の方をまっすぐに見た。
と思うと、すぐに視線をそらす。
「とにかく、服を着ましょう。
それでですね、あの、冷静に話し合いをしましょう。
その……」
「…………」