イケメンSPに守られることになったんですが。
その一言は……。
私の心臓を撃ち抜き、息を止めるのに十分だった。
なんとかこらえていた涙が、ぼろぼろと溢れ出す。
「ひ、ど……」
言葉にならない声が漏れると、亮司さんがハッとした顔をした。
「ちが、あの、中園さん……」
彼の腕が、ためらいながら私の方へ伸びる。
私はそれを、振り払った。
「触らないで……!」
そのまま寝室を出て、バスルームに直行する。
勢いよくドアをしめコックをひねると、心臓麻痺を起こしそうな冷たい水が頭から浴びせられた。
気持ち悪い……!
私はバスリリーに思いっきり泡を立て、全身をこする。
するとすぐに体は赤くなり、ひりひりと痛みだした。
私の胸と、同じように。
赤くはれて、痛んで、血が出たってかまわない。
だから、全部全部、なかったことにして……!