イケメンSPに守られることになったんですが。
「リョウさんの、バカァァァァァッ!!」
なんで、なんで、なんで……!!
ありがとうって、言ったじゃない。
大丈夫って、言ったじゃない。
あなたたちは、私の存在が救いだって……。
そう言ってくれたじゃない。
そんなこと言われて、あんなに優しく触れられて、疑うことができるわけないじゃない。
ただ、からかっただけなの……?
大人って、そんなに上手にウソがつけるの……?
どうして、亮司さんに知らせておいてくれなかったの。
どうして、今も、見て見ぬフリしてるの。
「うわああああぁぁぁぁ……っ」
どうして……。
亮司さんが、私をなんとも思っていないのなら。
抱かれたくなんか、なかった。
はっきり言ってくれていたら、抱かれたりなんかしなかった。
こうなるのが、怖かったから……。
「麻耶さんっ!!」
鍵のかかったバスルームのすりガラスの向こうから、亮司さんの声が聞こえた。
「麻耶さんっ、無事ですか!?」
……あなたが傷つけたんじゃない。
「麻耶さんっ、変な事を考えないでください!
頼むから、ここを開けてください!」
変なことって……。
私を息を止めようとしてるのはあなたじゃない。
ううん、あなたたちじゃない……。