イケメンSPに守られることになったんですが。
「ちょっと、待ってください。
説明してくれないと、あなたの言ってることがわからない。
麻耶さん、とにかくここを開けてください!!」
「やだって言ってんじゃん!!」
もう、顔も見れないよ。
ほっといてよ。
私はただのマルタイなんでしょ。
「……開けろッ!!」
シャワーの音の合間に、苛立ったような、まるでリョウさんのような亮司さんの声と、戸をたたく音が聞こえる。
「いやっ!!」
「開けてくれ!」
「いやだったら!」
「麻耶!」
びくん、と肩が震えた。
「頼むからここを開けてくれっ……。
頼む……、麻耶……っ!!」
──バァン!!
大きな音がする。
それより私の耳に響いたのは……。
『マルタイの中園さん』じゃなくて。
私の名前を呼ぶ、亮司さんの本当の声だった。