イケメンSPに守られることになったんですが。
……震える手で、ロックを解除する。
「麻耶!」
メガネもせず全身冷え切った私は、自分でドアを開けるも、無様にその場で転んだ。
なぜなら、
亮司さんの顔を見た途端、首が絞められたように息が苦しくて仕方がなくなってしまったから。
「……っ、ぁぁ……っ」
過呼吸。
自分の顔を、涙がつたって落ちていくのがわかる。
悲しみに溺れてもがく私の手を、亮司さんがにぎった。
「麻耶、すまない。
今、楽にしてやるから……」
ふわ、と自分の体が浮く。
かすむ視界。
耳には亮司さんの足音。
そして、いつ症状をおこしても良いようにリビングに用意されていた紙袋が、口に当てられる。
私はそれも、払いのけた。
「麻耶……っ!」
「……もう……いいから……」
もういい。
もう、いいの。
「このまま、殺して……」
亮司さん、リョウさん。
私は、あなたたちを愛しています。
拒絶されても、からかわれただけでも。
だから。
もう、ムリです。
がんばれません。
あなたたちに裏切られたら、私はどうやって立てばいいの?
それすら、わからないから……。
お願いです。
このまま私を、終わらせて。