イケメンSPに守られることになったんですが。
「……ってなあ。
過呼吸ぐらいで死ねるわけねーだろ」
聞き覚えのある声。
ああ……私まだ、生きてる……。
ゆっくりとまぶたを開けると、そこにあったのは見たこともない真っ白な天井。
自分が寝ているのは、ちょっと硬いベッドの上だった。
そして、私をのぞきこんでいるのは……。
「……新城さん……」
「よう、お疲れ。
なんか色々あったみたいだな」
新城さんはいつもの調子で挨拶をし、私にメガネを差し出した。
それをかけても、私はまだ、状況が飲み込めない。
「えっと……」
「ここは病院。
お前が倒れて、高浜さんが救急車を呼んだ。
当の本人は、謹慎中」
「謹慎……?」
倒れる前のことを徐々に思い出す。
そうだ、私……
『俺が、あなたに、手を出すわけ……っ、そんなの、許すわけないでしょう!』
あの一言に傷ついて、混乱して……。
「高浜さんが、全部ゲロったんだよ。
ブラックが起きたのが昼過ぎだったかな。
そこであいつがやったことを思い出したんだ。
だから事情は、大体わかってる」
「わかってるなら……!」
私はベッドから飛び起き、新城さんをにらむ。
新城さんは、困ったようにため息をついた。