イケメンSPに守られることになったんですが。


「あのブラックがあんな優しい顔するの、初めて見た」


「…………」


「だからさ、やっぱりちゃんと話した方が……」



──ブー、ブー、ブー。


新城さんの言葉を、スマホのバイブ音が遮った。



「悪い。はい、新城です。

はい、今起きたところで……ちょ、班長、なに泣いてるんですか?

……えっ、はあっ!?」



新城さんは驚いた顔をする。


班長さん、泣いてるってなんで?


ご親戚に不幸でもあったのかな……。


心配していると、新城さんはその長くて斜めに流れている前髪をぐしゃぐしゃとかきわけた。



「わかりました。

やれるかわかりませんが、やってみます」



そう言うと、電話を切る。


そしてこちらを向き、深刻な表情で私に告げた。



「……高浜さんが、警察辞めるとか言ってるらしい」



と。


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