イケメンSPに守られることになったんですが。
「5時間くらい前にリョウが起きて……記憶を引き継ぎました」
時計を見ると、もう18時。
私が病院で寝ている間に、色々動きがあったんだ……。
ソファに座った私の向かい側、テーブルを挟んで亮司さんが正座する。
「……それで……?」
「……あなたに伝えたいことが、あります」
「なんでしょうか」
部屋全体を、なんともいえない重たい空気が漂う。
その中で亮司さんはひとつ、小さな息を吐いた。
「リョウが言っていたことに、ウソはありません」
「…………」
「俺は、あなたに感謝しています。
あなたの存在に救われているのも、たしかです。
リョウと心の根っこが一緒なのも、本当です。
だからあなたの気持ちは嬉しいし、本当にありがたいです」
私の目をまっすぐ見つめて……亮司さんは、ゆっくり話しかけてくる。
とても、辛そうな顔で。
「俺は、あなたを……とても、かわいい人だと思っています。
才能があるせいか少し変わっているけれど、心の優しい、素敵な人だと、思っています。
正直に言ってしまえば、抱きたいと思ってしまったことも……あります」
どくんどくんと、心臓が激しく脈を打つ。
亮司さんの口から、自分のことが肯定的に語られたから……。
最後の言葉は予想外で恥ずかしいけど、嬉しい。
でも、きっと……。
「…………」
「だけど……」
……ほら、きた。
『だけど』だ。