イケメンSPに守られることになったんですが。


**


中園さんがいなくなった部屋は、いつもより広くて、静かに感じた。



「……クソッ……!」



どうして俺は、こんなに女性の扱いがへたくそなんだろう。


中園さんが倒れたあと、心の浅いところに、リョウがのっそり起きてきた。



『いったいどういうことなんだ!!』



責めた俺に、あいつはひとこと。



『悪い。久しぶりにはりきりすぎて疲れて、俺もぐっすり寝てた』



……そうじゃないだろうっ!!



『寝てた理由を聞いたんじゃない!』



俺は今朝の修羅場の記憶をリョウにむりやり引き継ぐ。


するとその記憶を見たリョウは、驚いた声を出した。



『なんでそうなるんだ?』



なんでって、お前……。



『お前が素直に麻耶に想いを打ち明けて、そのまま朝からもう一発やれば済んだ話じゃねえか』



……ふ……っざけるなぁぁぁぁぁっ!!


お前のせいで、大変なことになってるんだぞ!


でも相手は意識だけの状態で実体がないから、殴るわけにもいかない。


とにかく、お前の記憶を見せろっ!


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