イケメンSPに守られることになったんですが。


それなのに。


突然現れた彼女は、今朝の死人のような状態から見事に復活を遂げていた。


そしてまっすぐな視線で俺を射抜き、最後まで自分を守れと……そう言った。


最後に見えたのは、涙をいっぱいためた、大きな目。


きっと彼女は、また泣いている。



「……どうすれば、いいんだ……!」



──バン!


テーブルをこぶしで殴りつける。


そのままうつむいていると、リョウが言った。



『鬱陶しいんだよ!

いい加減にしねえと、俺がメインを乗っ取るぞ!』



と。


そうして悩むうち、夜は更けて……突然、テーブルの上のスマホが鳴った。


それは篠田からの連絡だった。


明日……俺は、警視庁に行かなくてはならなくなった。


まだ、頭の整理がつかないというのに……。





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