イケメンSPに守られることになったんですが。
完全に病気になっちゃった。
恋の病だ……あー言っちゃった。なんて陳腐なの。
私、なんの才能もないなぁ……。
ぶび、と鼻をかんだ瞬間、新城さんのスマホが鳴った。
電話をとった新城さんの表情はあっという間に曇り……会話が終わったときには、すっかり仏頂面になっていた。
「ど、どうかしたんですか?」
「ああ……面倒なことになった」
「えっ?」
もしかして、テロリストになにか動きが?
そんな私の予想は半分当たったらしい。
「政府と警察の良い返事はまだかと催促があったらしい。
期日までに返事がない場合は、容赦なくテロを実行すると」
「そんな……」
先月の地下鉄爆破テロでは、幸いにも犠牲者がいなかった。
でも、いつもそうだとは限らない。
「というわけで、キャリアがある計画を立てたそうだ」
「篠田さんが?」
そういえば、私のスマホの発信機を見つけたときに、『計画が立てやすくなる』とかなんとか言っていたような……。
「あ」
スマホ……っていうか私の荷物全部、まだ高浜さんの家に置きっぱなし。
今日はさすがに気まずすぎるから、明日矢作さんと大西さんが取ってきてくれる手はずで……。
今私が着てるのも、ホテルの備え付けのバスローブだ。
それを新城さんに伝えると、彼は眉間にシワを寄せてうなった。