イケメンSPに守られることになったんですが。
「集まっているか、落ちこぼれども」
現れたのは、国家公務員だからといって、地方公務員のSPを思い切り見下している篠田さんだった。
特殊班はみんな嫌そうな顔で、一応「おはようございます」と挨拶した。
篠田さんは班長さんの横に立ち、ぐるりと部屋の中を見渡す。
そして「ん?」と首をかしげた。
「高浜は?」
「えっと……それが……ちょっと、体調不良で」
班長さんがしどろもどろでごまかそうとする。
そりゃそうだよね。
高浜さんがここにいいない本当の理由を話したら、大変なことになってしまう。
篠田さんと高浜さんは仲が悪いし、下手したら懲戒免職なんてこともありえるかも。
班長さんも責任を取らされるかもしれないし……。
私とSPたちはあえて何も言わず、黙っていた。
「体力しか取り柄のないSPが体調不良だと?
あのボケ、いったい何を考えているんだ。だから突然新城に担当が変わったのか……」
むかっ。
特殊班全員の目がつりあがるが、篠田さんは全く気にせず、勝手に話を始めた。
「まあいい。
とりあえず昨夜連絡したとおり、例のテロ組織から催促の脅迫状があった。
そこで、われわれ公安が考えた作戦を、敵が指定した期限以前に実行しようと思う」