イケメンSPに守られることになったんですが。
「……サブ人格の方か。
遅れておいて、その態度は何だ。
体調不良で休みじゃなかったのか?」
篠田さんが顔をしかめる。
するとリョウさんは面倒くさそうに言った。
「しょうがねえだろ、メインの人格が……いろいろ不調なんだよ」
腕組みをして言った言葉が、私の胸にのしかかる。
きっと、メインの人格……亮司さんは、来たくないって思ってたんだ……。
……私に、会いづらいから……。
でも、公安の呼び出しを無視するわけにもいかない。
だから、リョウさんがムリヤリ体を動かしてきたんだ。
あぁ……やっぱり私はバカだ。
リョウさんの低い声を聞いただけで、あの夜のことを思い出してドキドキしてしまう。
亮司さんが来てくれなくて悲しいのに。
そんなことを思い出している状況じゃないのに……。
体は素直に体温を上昇させ、私はそれ以上リョウさんを見られずに、うつむくしかなかった。
「こんなときに、いったいどこが不調なんだか……」
何も知らない篠田さんは大きくため息をつく。
「ま、高浜のことはどうでもいいか。
もう一人が体を動かせる状態なら問題はなかろう。
引き続き、計画の話をしよう」
そう言われて、リョウさん以外のSPたちの背筋が伸びた。