イケメンSPに守られることになったんですが。


私も集中しなきゃ。

みんなに注目された篠田さんは、淡々と言う。



「簡単にいうと、中園麻耶。お前に、おとりになってもらう」



お……。


おとり……!?



「ああ?そりゃどういうことだ?」



ぽかーんとする私の横のリョウさんから、いつもより低い声が出る。


思わずそちらを見ると、彼は敵を威嚇する獣のような目をしていた。


それににらまれても、篠田さんはクールな表情を崩さない。



「この前百貨店に峰岸和也が現れた際、お前を人質にして政府と警察を揺さぶるという計画を聞いたと言っていたな」


「は、はい……」


「その計画を逆に利用してやろう。

中園、お前が敵の発信機付のスマホを持って、SPとそのへんをウロウロする。

そうすれば敵はお前をもう一度襲いに来るだろう。

もちろんSPがついているのは知っているはず。

峰岸が失敗した今、一人で雑魚が来るとは考えにくい。

大勢で、しかも組織の幹部たちが来ると考えられる。

そいつらが中園に危害を加える前に、一網打尽にする」



ええ~!?


なんでそうなるの!?


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