イケメンSPに守られることになったんですが。


「公安様が考えたわりには安直で、単純で、無理やりな計画だな」



リョウさんが吐き捨てるように言う。



「篠田さん、どうして潮騒の会の幹部連中が来るなんて思うんですか?」



まあまあとリョウさんに言ってから、班長さんが篠田さんに聞いた。



「ああ、言い忘れていた。

峰岸は潮騒の会の幹部の一人らしい。

だから地下鉄爆破事件も任されたんだろう」


「ええっ!!」



和也、幹部なの!?


あの、だらしなくて自分の脱いだ靴下さえ、裏返しのまま洗濯機に入れていた人が?


って、そりゃ関係ないか……。



「もう自分たちが指定した期限が目前に迫っていて、敵も焦っているはずだ。

それに無差別テロを起こすよりは、このチビをさらって人質にする方が簡単だと思うだろう」



ち、チビって……篠田さんにも子ども扱いされた……。


テロより誘拐が簡単って思う公安の思考回路もよくわからない。


どっちも重い犯罪じゃん……。



「敵にとっても一番重要な場面だ。

そこであまり信用できない下の方の人間を使う可能性は低い。

捕まったらベラベラ警察に組織の情報を話してしまう危険もある。

だから幹部が現れるんだ。

結束が強く、逮捕されてもなかなか口を割らないと信用されるやつらがな」



べらべら話し続ける篠田さんは、なぜか自信満々。


< 303 / 438 >

この作品をシェア

pagetop