イケメンSPに守られることになったんですが。
「公安様が考えたわりには安直で、単純で、無理やりな計画だな」
リョウさんが吐き捨てるように言う。
「篠田さん、どうして潮騒の会の幹部連中が来るなんて思うんですか?」
まあまあとリョウさんに言ってから、班長さんが篠田さんに聞いた。
「ああ、言い忘れていた。
峰岸は潮騒の会の幹部の一人らしい。
だから地下鉄爆破事件も任されたんだろう」
「ええっ!!」
和也、幹部なの!?
あの、だらしなくて自分の脱いだ靴下さえ、裏返しのまま洗濯機に入れていた人が?
って、そりゃ関係ないか……。
「もう自分たちが指定した期限が目前に迫っていて、敵も焦っているはずだ。
それに無差別テロを起こすよりは、このチビをさらって人質にする方が簡単だと思うだろう」
ち、チビって……篠田さんにも子ども扱いされた……。
テロより誘拐が簡単って思う公安の思考回路もよくわからない。
どっちも重い犯罪じゃん……。
「敵にとっても一番重要な場面だ。
そこであまり信用できない下の方の人間を使う可能性は低い。
捕まったらベラベラ警察に組織の情報を話してしまう危険もある。
だから幹部が現れるんだ。
結束が強く、逮捕されてもなかなか口を割らないと信用されるやつらがな」
べらべら話し続ける篠田さんは、なぜか自信満々。