イケメンSPに守られることになったんですが。


彼はすらすらと頭の中の計画を述べる。



「大丈夫だ。

いざというときのために警官隊を乗せたヘリと、SATを近くに用意する」



さ……SATって、特殊急襲部隊の、あのSAT!?


それって、刑事部じゃ手に負えない事件に出てくる特殊部隊じゃん。


そんな大事に、自分がおとりとして参加しなきゃいけないなんて……。



「SATまで使うんなら、さっさとアジトに乗り込めよ!」



そう言って、リュウさんが立ち上がった。


そ、そうだそうだ!


なんで団体の名前や代表者までわかってるのに、そうしないわけ?



「……潮騒の会にアジトはない。

集会はいつも貸し会場や貸しスタジオを転々として行っていたらしい。

武器やその他、活動に必要なものを保管していた倉庫は見つけたが、もぬけのからだった。

どこか新しい場所を見つけてそれらを保管し、そこに幹部連中も潜んでいるとは思うが……」



篠田さんは途中で言葉を切り、悔しそうな顔をする。


アジト的な場所が、なかなか見つからないんだ……。


そうか……アジトに乗り込めば解決じゃんなんて、その程度のこと、この人が考えないわけはない。


色々手を尽くしたけど期限に間に合わなさそうだから、苦肉の策に出るしかないというわけか……。



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