イケメンSPに守られることになったんですが。
「俺だって、こんなことを頼みたくて頼んでいるわけじゃない……!」
こぶしをゆっくりと下ろすと、篠田さんは自分を落ち着けるように、深く呼吸をした。
篠田さん……。
公安は公安で、しんどい思いをしてるんだ……。
決していぢわるとか怠慢で、私に協力を頼んでいるわけじゃない。
「……わかりました……」
もう、こうするしかない。
「麻耶」
リョウさんが私をにらむ。
だけど私は彼とは目を合わさず、篠田さんを見て、言った。
「私が、おとりになります」