イケメンSPに守られることになったんですが。
ぐるぐるぐるぐる。
思いつく限りの『あんなことやこんなこと』が頭の中を駆け巡る。
……ダメだっ!
真っ白で無垢な彼女を、これ以上汚すな!
『だーれが真っ白だ。
あいつ、出会った時点で男知ってただろ。
あのテロリストにけっこう仕込まれてたぜ、すでに。
顔のわりにエロい女だから、やっぱりお前より俺のほうが合ってるな。
お前じゃ満足できねーんじゃねえの、あいつ』
言うな言うな言うな!!
俺はお前より下手と言うより、ノーマルなだけで……違う、そうじゃなくて。
そんな心底意地の悪い声で、彼女の悪口を言うなっ!
彼女が実は娼婦であろうと、俺にとっては天使なんだ!
『ぶっ……わ、はははははははっ!
天使だって!?そんなもん、リアルにいるわけねーだろ!
お前は麻耶以上のロマンチストバカだぜ!』
リョウは腹を抱え、一人で会議室の床をのたうちまわる。
く……っ。
なんだこの敗北感は……。
俺はこんな最低な男にメインを譲ろうとするほど、何をそんなに悩んでいたんだっけ?
全部忘れそうだ……。
リョウの嫁なんかになったら、彼女は確実に堕落の道を進む。
せっかく作家としての道があるのに、このままではリョウに骨も脳も犯されて、ただのいやらしい人妻に成り下がってしまう……!
そう考えた途端、素肌に白いフリルのエプロンだけをつけて、テヘッと笑う彼女が頭をよぎった。