イケメンSPに守られることになったんですが。
結局昨日は簡単に今日の段取りを説明されただけで、ホテルに帰されてしまった。
まあ、私はただのおとりであって、テロリストを逮捕するのは警察の仕事だもんね。
じっくり打ち合わせをしなきゃいけないのは警察の皆さんであって、私じゃない。
作戦に参加する新城さんは、夜遅くホテルに帰ってきた。
代わりにいてくれた他の班の女性SPに挨拶をしたその顔は、いつもより疲れているように見えた。
「おかえりなさい」
ノーメイクにノーブラの私は、いつものようにバスローブで新城さんの前に出る。
すると彼は……。
「ただいま。お前にいいもの持ってきてやったぞ」
と、スーツのポケットを探る。
えっ、もしかしておみやげ?お菓子……とか?
期待してわくわくしていると、新城さんが「手を出せ」と言う。
素直に手のひらをふたつ並べて差し出すと、そこに置かれたのは……。
高浜家におきざりにしていたはずの、私のスマホだった。