イケメンSPに守られることになったんですが。


「代表は必ず解放させる。

代表の言うことは潮騒の会では絶対であり、誰も反対することはできない」


「…………」


「代表がお前を生かしておくなっていうなら、殺さなければならない」



和也は薄く笑ったまま、淡々と話した。



「……で?ここからどうやって麻耶ちゃんを連れて行こうって言うの?

あんたが察している通り、周りには見張りがいる。

たぶん俺たちの異常に気がついて、警察が包囲しかけてると思うよ。

下手に逃げないで、お縄についた方が、怪我が少なくて済むよ」



大西さんが、いつもの調子で和也に話しかける。


そういえばそうだ。


このビルは入り口はひとつで、移動手段は階段しかない。


非常口はあるけど、そこへたどり着くにはドアの前に立ってる大西さんをどうにかしなきゃならない。


そこを突破しても、私たちを見張っていた警官たちが、このビルごと包囲している可能性が高い。


大西さんの質問に、和也は薄笑いのまま答える。



「そんなの教えてやる義理はねえけど……。

ひとつだけ教えてやるよ。

……まず、弱そうなSP、お前を殺してやる!」


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