イケメンSPに守られることになったんですが。
スマホの残骸を凝視しているとその横に、最初に大西さんが床に置いた拳銃が目に入る。
私はもみあっている2人の前で、それを拾った。
もう怒ったぞ!
「和也っ、銃を捨てなさい!」
私は出せる限りの大声で怒鳴る。
すると和也と大西さんがもみあいながらこちらを見て、一瞬フリーズした。
「はっ?」
「ちょっ、麻耶ちゃんダメだよ!
素人が片手で撃ったら肩が抜けちゃう!」
え、そうなの?
リョウさんがしていてかっこいいなあと思っていた、拳銃を片手で持って銃身を横にして弾丸を放つポーズだったんだけど……。
たしかに、すぐに二の腕がぷるぷるしてきて、私は拳銃をまっすぐ持ち直し、もう一方の手でなんとかそれを支えた。
和也め……もう容赦しない!
「スマホの恨み、思い知れっ!」
「ばっ、やめろ!」
「麻耶ちゃん!危ないってばぁ!」
涙目の大西さんを無視し、私はリュウさんの見よう見まねで安全装置を外し、自動拳銃の引き金を……
引いた。