イケメンSPに守られることになったんですが。
──バキィン!
銃弾は和也の足元にめりこみ、床を破壊して少しの煙を立たせた。
私が腕を下に向けて撃ったからだ。
その音にビックリしたのか、和也から力が抜ける。
その一瞬を逃さず、大西さんが和也の足を蹴り飛ばし、床に沈没させた。
そして腹ばいにさせようとするが、和也も必死の抵抗を見せ、なかなか決着がつかない。
このままじゃ、また大西さんが危なくなるかも……!
私は外が見える大きなガラス窓の方へ走る。
味方が近くにいるかもしれない……。
外からの強風に、窓枠ががたがた音を立てている。
私は少ない体力を振り絞り、さび付いているクレセント錠を開けようとした。
そのとき……。
「窓はダメだ!
敵の仲間もどこかから見張ってるかもしれない!」
「え……っ」
大西さんの言葉が背後から聞こえた瞬間、ぐらりと体が揺れた。
彼の下で、和也もこちらを見ていたのが、かすかに見えた気がして……。
──ガチャン。
そんな音とともに、クレセント錠が外れた。
私は思い切って、さび付いた窓を開ける。
ここは3階。
下を見ると高さでくらくらした。
道路を挟んで向かい側のビルまでは、およそ100メートル。
これなら、ゴル○でもない限り簡単に私を撃ち落とせないはず!
怖がっている暇はない!
大西さんを助けなきゃ!