イケメンSPに守られることになったんですが。


「おおぉーい!!警察の人ぉぉー!!

中園麻耶は、ここでぇーす!!」



私は窓から身を乗り出し、両手をぶんぶん振って大声で叫ぶ。


新城さん、矢作さん、班長さん、篠田さん、誰でもいいから気づいて……!



「だれかぁー!!ここに、テロリストがいまーす!!

警察に通報してくださぁーい!!」



ついでに下を通る通行人にも声をかけるけど……。



「つ……っ!」



大西さんのうめき声が聞こえて、振り返る。


すると彼の下から這い出した和也が、ピストルを持ってこちらに向かおうとしていた。


大西さんはお腹を押さえてうずくまっている。


和也が蹴ったのかもしれない。


どうしよう……!



「……麻耶……」


「こ、来ないで……っ」


「人質にする計画がなけりゃ、殺してやるところだぜ……」



ゾッと背筋が凍りそうになる。


和也の目は、氷みたいに冷たかった。


恐怖で動けなくなった私の肩を、和也は乱暴につかむ。


何をされるんだろう。


もしかして、殴られるのかな?


そう思ったとき……。





──バン!!



「手を上げろ峰岸!!」



部屋のドアが、突然開いた。


低い低い、声とともに……。




入り口に銃を構えて立っていたのは。


間違いなく、



リョウさん……だった。







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