イケメンSPに守られることになったんですが。
「リョウ、さん……っ」
「た、かはま、さん……!」
大西さんも驚いた顔をする。
どうしてここにリョウさんが?
そんな質問をするのも許されず、和也は抱きしめるように私を自分の胸の近くに寄せ、リョウさんにピストルを向けた。
「麻耶を放せ!」
リョウさんが低い声で怒鳴る。
だけど和也は、薄く笑うだけで……。
「悪いけど、時間がないんだ」
そう言うと、私を抱き上げて、窓枠に立つ。
ま、まさか、まさか……。
もう敵わないと思ったから……道連れに……とか?
やめてよぉぉ!
私はあんたと心中する気なんか一ミリもないんだから!
そうは思うけど、恐怖で言葉にならない。
北風がびゅうびゅうと、頬にたたきつけられる。
「……じゃあな、無能な警察諸君」
和也の声が風に混じる。
「何をする!?やめろ!!」
リョウさんの制止も聞かず、和也は私を抱いたまま……。
ビルの3階から、身を投げた。