イケメンSPに守られることになったんですが。
「や……っ」
「よし、速度を上げろ!急ぐぞ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
リョウさんの体が、遠くなっていく。
ウソでしょう?
どうして?
どうして来たの?
どうしてひとりで、そんな無茶をして私を追いかけてくれたの?
どうして……っ。
「リョウさんっ、リョウさぁぁぁぁん!!
やだっ、やだよぉぉぉぉっ!!
いやあああぁぁぁぁあぁぁぁっ!!」
「うるせえ!!」
和也が私の頭にピストルを持った手を振り下ろすのが、最後に見えた。
鈍い痛みとともに、意識が遠くなっていく。
だからやめとけって言ったんだよ。
リョウさんの低い声が、頭の中で聞こえた気がした。