イケメンSPに守られることになったんですが。


もう、動けないのか……?


階段を下りていけばよかったのに、気づいたら窓から体がダイブしていた。


冬の街路樹に葉はほとんどなく、枝につかまりながら、なんとか着地。


それじゃ当然、足も手もやられるはずだ……。


結局、弾が尽きるまで撃っても、彼らを止めることはできなかった。


傷ついた足を撃たれた。


人生で初めて、こんなに全力で走ったせいか、肺までつぶれそうに痛い。


こんなことなら、作戦が始まったときから遠くで見守るのではなく、ムリにでも大西とポジションを代わってもらうんだった。


大西の無線が繋がらなくなったと班長から連絡があった瞬間、まずいと思った。


俺は街中を透視しながら彼らを探し……。


やっと見つけたと思ったと同時に、銃声が聞こえた。


自分もそこでピストルを取り出し、リュウに意識が渡った。


その結果がこれなのだが……。


冷たいアスファルトに、頬が当たる。


耳にはヘリコプターやパトカーが、テロリストを追跡する音が小さく聞こえた。


クソ……!


警察はやることが全て遅いんだよ……!


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