イケメンSPに守られることになったんですが。
……寒い。
めっちゃ寒い。
ズキンと頭に痛みが走り……私は目を覚ました。
見覚えのない天井に、自分が吐いた白い息が見える。
ゆっくり体を起こすと……。
「お目覚めか」
4畳くらいの狭い部屋の隅に、和也がいた。
テレビで見た、独房みたいな部屋。
天井も壁も床も灰色で、家具も窓もなくて湿気がひどい。
と言っても、どうやらメガネを取り上げられたらしく、全てがぼんやり見えるだけだけど……。
どこかかび臭いような気がする。
そして、ひどく寒い……。
手で体をこすろうとした瞬間、自分の手首に奇妙な重さを感じた。
なんだろうと思って、視線を下に移すと……。
「……ふおぉっ!」
初めて自分の体の状態を確認して、驚いた。
手足はそれぞれ手錠でつながれている。
しかも私は下着しか身に着けておらず、かびくさい毛布が乱雑に腰にかけられているだけだった。
そりゃ寒いよ!
っていうか、いつ誰に脱がされたの!?
途端に和也の視線が怖くなり、自由にならない手で毛布を手繰り寄せ、壁際ににじにじと寄る。
すると和也は冷めた表情で話しだした。
「公安が発信機をつけているかもと思ったから、着ていたものは全て途中で捨ててやったぜ。
その中は俺が軽くチェックしただけだがな」
そっか、楽チンなワイヤーもパットもないブラとごく普通のパンツには、発信機付けるところがないもんね……。
って、おおい!
チェックって!?軽くチェックってえぇぇ!?