イケメンSPに守られることになったんですが。
「ここは……どこなの?
今、何時何分?
あの撃たれた警官はどうなったの?」
矢継ぎ早に聞くと、和也はうざったそうに答えた。
「ある山の山荘。
言えるのはそれだけだな」
「そんな……お願い、テレビとかあるんでしょ?
リョウさんがどうなったか確認させてよ」
「うるせえ!
人質にそんなに親切にするやつがいるか!」
確かに……。
どうしよう、全然状況がわからない。
こんな窓もない部屋じゃ、時間さえも……。
殴られてから、何時間が経ったんだろう。
リョウさんは生きている?
それとも……。
最悪の事態が、頭の中で勝手に思い描かれる。
もしリョウさんが……この世の人でなくなってしまっていたら、それは。
亮司さんも……もう、生きては会えないということ。
「…………」
不意に涙が溢れそうになって、懸命にこらえた。
泣いちゃダメだ。
泣いたら、この想像の不幸が現実になってしまう気がする。
大丈夫。
ふたりは、最高のSPだもの。
怪我をして倒れたかもしれないけど、死んだりしていなはず。
ここを出て、みんなの元へ帰れば……。
きっと、もう一度会えるはず。