イケメンSPに守られることになったんですが。
「これから私をどうするの?」
勇気を出して、和也に聞いてみる。
「今、警察と交渉中だ。
やつらがお前と引き換えに代表を渡すと言うのなら、お前は助かる。
その要求は飲めないと言われる、あるいはこちらが定めた返答の期限を過ぎる……そうしたらお前は」
和也は、人差し指と親指でピストルを模倣し、私を撃つ真似をした。
「バーン。残念でした」
「…………」
「服を脱がした時の映像を公安に送りつけたから、焦っているとは思うがな。
男だらけのテロ集団にとられた人質がどうなるか想像するだけで怖いだろう。
あとで計画を失敗した警察が、訴えられないかどうか」
……怖いの、そこなの?
そんなことない。
篠田さんたちは、一生懸命私を探してくれているはずだ。
何の罪もない一般人を見捨てたりするような人たちじゃない。
「というわけで、お前はここで事態が動くのを待ってろ。
妙なことを企むなよ。
脱走しようとしたら、本気でもう帰りたいなんて思えないくらいのダメージを与えてやるからな」
和也が低い声で私を脅す。
黙っていると、和也はそのままドアを開けて出ていった。
するとドアに鍵がかけられる音と、「あとは頼む」という声が聞こえた。
きっと、ドアの前に別の見張りがいるんだろう。
和也の足音は、だんだんと遠くなっていった。