イケメンSPに守られることになったんですが。
なんとかしなきゃ!
くっそう、和也たちが警察に指定した期限まで、あと何時間か聞いておくべきだった。
いや、あと何十分だったら?
何分、何秒かもしれない……。
「どうすれば……」
私はぐるりと周りを見回す。
うーん、見事なくらい何もない。
独房と違って携帯用便器も、食事用テーブルもない。
あるのは、腰にかけられた毛布だけ。
手足には手錠。
寒さがどんどん体力を奪っていく。
歯の根が震えてカチカチと音が鳴った。
やばいって……。
このままじゃ、まず寒さで死んじゃう。
一晩(時間わからないけど……)越せるかどうかも危うい。
『もういいや、私なんか死んだって』
生まれてから今まで、何回そう言ってきただろう。
本当にバカだった。
病気もせず、たいした怪我もなく、五体満足で生きられることが、どんなに幸せなことか。
こんな状態になるまで、気づかないなんて。
「ごめんなさい……」
誰に謝ればいいんだろう。
わからないけど、突然この世界全てのものに対して謝りたくなった。
決して、恵まれた環境ではなかったけど。
今まで私が何不自由なく生きてこられたのは、きっと……。
奇跡、だったのに。