イケメンSPに守られることになったんですが。
3・見られちゃったんですが。
午後23時──。
私はやっと自分のアパートに帰ってこれた。もちろん高浜さんの車で。
他のSPは交代で近所の見回りらしい。
「えっと……貴重品と、生活に必要なものを用意すれば良いんですね?」
ドアの前で聞くと、高浜さんはこくりとうなずく。そして。
「できれば、一度お部屋を拝見させていただきたいのですが」
そう申し出てきた。
えー……それが嫌だからここで聞いてるのに。空気読んで欲しい。
一度盗難にあって以来、下着は中に干すようにしてるし。
来客の予定も無かったから、ちらかり放題なんだけどな。
そんな私の思いを察したのか、高浜さんは申し訳なさそうに言う。
「すみません。盗聴器とか、盗撮器の類がないか見るだけですので。
ご協力よろしくお願いします」
と、盗聴器!?
ぶるりと背中が震える。
この前見たテレビで、盗聴器って本当に、本人が気づかないうちに仕掛けられてるって言ってた気がする。
「うう、じゃあ……」
私はしぶしぶ、高浜さんを中に招き入れた。