イケメンSPに守られることになったんですが。


亮司さんは、和也と一対一で向かい合っていた。


亮司さんの手元でガシャンと新しい弾丸を装填する音が響く。


その一瞬の隙を狙って、和也がかまえたピストルの引き金を引く。


──パアン!



「亮司さんっ!」



亮司さんは1発目を避け、自分の銃を横にかまえ、撃つ。


しかしそれは和也の頬をかすめ、壁に穴を開けた。


和也は2発目、3発目と連続して亮司さんに向かって発砲する。


亮司さんは床を転がりながらそれを避け、片手で持っていた銃に、もう片手を添えた。


そして……。


──バアンッ!


次の一発で、とうとう和也のピストルに弾丸を当て、手から落とさせることに成功した。


ごとりと、床に重いピストルが落ちる音がして、和也は自らの手首を押さえ、うめいた。



「く、そ……ッ!!」



もう大丈夫と思って亮司さんに駆け寄ろうとするけど、低い声がそれを制した。



「何してる!早く逃げろ!」


「だ、だって……」


「だって、じゃない!言うことを聞けっ!」



私の方に向かって叫ぶ亮司さん。


するとよそ見していた彼に、和也がナイフを持って襲いかかる。



「危ない!!」



思わず叫ぶと、亮司さんはすぐに視線を和也に移した。


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