イケメンSPに守られることになったんですが。
「見えてるんだよっ!」
亮司さんは背後から突き出されたナイフを持った手を、銃を捨てて封じる。
そして手刀で和也の手首の間接を打ち、ナイフを落とさせた。
「ぐ……っ」
「お前たちはちゃんと訓練を受けてない。
だからいくら良い武器を持っていようと、攻撃がワンパターンなんだ……よっと!」
亮司さんは何をどうしたのか、ぐりんと和也の腕をひねりあげると、あっという間に床にその体をうつ伏せにさせ、押し付けた。
ちょ、早すぎてよく見えない……。
「行け、麻耶!」
「や、亮司さんも一緒に……」
「俺は大丈夫だ。
時間がない、早く」
「でも……」
まごまごしている私に、亮司さんが自分の腕時計をチラッと見て叫んだ。
「早くしないと、あと2分でSATの突入に巻き込まれる!」
へ……っ?
さ、さっと……。
SAT、やっぱり来てたんだー!!
ぱっと希望に輝く自分の顔とは裏腹に、和也の顔に緊張が走った。
「で、でも、メガネないし!
お願い、ひとりにしないで!」
こんな混乱した場所に置いていったら、亮司さんも怪我しちゃうかもしれない。
それはイヤ!
両手を合わせてお願いすると、亮司さんの固かった表情が、ほんの少し和らいだ気がした。
だけど、その瞬間……。