イケメンSPに守られることになったんですが。
「おじゃまします」
「ちょ、ちょっと待ってくださいね!
すみません、足の踏み場もなくて……」
私は脱ぎ散らかした服や本、DVDやノート、さらには食べかけのお菓子なんかをかき分けて、窓際に干していた下着へ手を伸ばす。
「ああ、どうぞお気になさらず」
高浜さんはそういうと、一度だけ深く息を吸った。
それを細く長く吐きながら、首をくるりと右から左へ動かし、視線を一周させた。
「はい、大丈夫です」
「!?」
も、もしや透視したんですか、今の一瞬で部屋の中を。
こえー……
「すみません、気持ち悪くて」
「い、いいえ」
素直に謝られても。ってかさっきから、何度謝られたのかもう覚えていない。
警察ってもっと高圧的だと思ってたんだけどな。
とにかく私は部屋の中を適当に片付け、ホテルに持っていくものをキャリーバッグにつめこんだ。