イケメンSPに守られることになったんですが。


「よくやった高浜!

さ、あとは公安に任せて俺たちは病院へ急ごう」



班長さんの言葉に、若いSPたちが同意する。



「そうしましょう。

高浜さん、その怪我で自分が行くってきかねーんだもんな。

痛み止め、そろそろ切れるんじゃないですか?」


「新城、余計なことを言うな」



亮司さんは口の前に人差し指を立てた。


いや、しっかり聞こえてましたけど……。


亮司さん、痛み止めうってまで、私を助けに来てくれたんだ……。


そう思うと、じわりと胸が温かくなった。


私……本当に亮司さんと一緒に、帰れるんだ……。



「うわ、麻耶ちゃんが泣いた」



鼻をすすった私を、大西さんがちゃかす。



「高浜さん、抱きしめてあげないとー」


「ついでにチューしてあげないとー」



新城さんと矢作さんが亮司さんをいじる。



「お前たち、いい加減にしろ!」



亮司さんが、彼らにツッコミを入れる。


ああ……良かった。


みんな無事だった。


特殊班が、もとに戻ってくれた……。



「とにかくこんなところにいないで、移動しよう。

麻耶ちゃん寒そうだし」


「ハッ……お前たち、見るんじゃない!」



班長さんに言われて、亮司さんが私のとんでもない格好を思い出し、若いSPたちから私を隠そうとした。



< 382 / 438 >

この作品をシェア

pagetop