イケメンSPに守られることになったんですが。
そして1年後……。
警部に昇進したけど、今もSPのままの亮司さんが、久しぶりに帰ってきた。
「ただいま」
「おかえりなさい!」
なんでも今回は首相の警護だったとかで、色々大変だったらしい。
でも、こうして無事に帰ってきてくれるたび、私の幸せは増した。
そして現在、私の左手の薬指には、亮司さんのお給料3か月分……はさすがに恐れ多かったから辞退して、1か月分くらいのダイヤの指輪が光っている。
玄関に飛んでいった私を、亮司さんはぎゅっと抱きしめた。
「2週間ぶりだな……」
「はい……」
まだ玄関で靴を脱ぎ終わらないのに、亮司さんは私にキスをしながら、コートを脱ぎ、ネクタイを解きだす。
この流れだと、せっかくがんばって作った食事が食べられないまま、意識を飛ばされて朝になってしまう。
ほら、もう大きな手が私の腰をなでてる。
「あの、ごめんなさい」
「ん?」
「今日は作業しなくちゃ、なの」
「作業……って、なんの?」
おとなしく手を離した亮司さんは、きょとんとした顔で聞く。
「書籍化……第2弾の、です」
「えっ、また本を出すのか?
聞いてないけど……いや、話す時間がなかったんだよな。
すごいじゃないか。おめでとう」
「へへ……」