イケメンSPに守られることになったんですが。


「俺は、がんばり屋の麻耶が好きだよ。
だけど、ムリのしすぎは誰も喜ばない。
もっと自分を大事にしてくれ」


ほら、そんな泣かせるようなセリフ、真顔で言って。


「休みはこの先、何度だってある。
この先……ずっと一緒なんだから。急ぐことも焦ることもないよ」


そう言って亮司さんは、私の左手をとる。

その薬指には、彼がくれた婚約指輪が。

そうか……この先、ずっと……一緒なんだ。


出会ったころは、こんなふうになれるなんて思わなかった。


こんなに、明日が楽しみだと思いながら生きていけるなんて。


「ありがとう……大好き」


重ねられた手に指をからませる。

すると亮司さんは、少し頬を赤く染めて、にっと笑った。


「こら。そんな可愛いこと言うと、襲うぞ」


リョウさんと同化した亮司さんは、昔なら絶対に言わなかったこんなことを、たまに言うようになった。



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