イケメンSPに守られることになったんですが。


出会ったころはSPとマルタイで、お互いに距離を置いていた。

事件が解決して恋人になれたときは、空に舞い上がるような気分だった。

毎日が寂しくないって、なんて素敵なことなんだと気づくことができた。


自信をなくして開き直って女を捨てていた私も、少しはキレイになれたかな。

だって、あなたの隣に立つのにふさわしい女性になりたくて、努力したもの。

今は婚約者で、次は……夫婦になって、誰かのお父さんとお母さんになって。

そうやって、私たちはお互いに変化を重ねていく。


愛情は冷めていくもの。

いつの間にか、空気みたいな存在になってしまう。

それは自然で、当たり前で、とてもありふれたこと。


けれどどうか……ずっと、こうして大事にしてもらえる自分でいられますように。


私も、あなたを大事に想う気持ちを忘れないようにするから。


誓いを込めた指輪から幸せが溢れて、うっかり涙がこぼれそうになった。



そんな私に、亮司さんは黙って、そっとキスをする。


額をなでられる心地よさに目を閉じていると、そのままいつの間にか眠りに落ちていた。



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