イケメンSPに守られることになったんですが。
「寂しかったんだから……」
私は四つんばいの状態から、上半身を落とす。
まるで雌ヒョウだ。
そうして、亮司さんの唇にそっと口付けた。
ベッドの脇には、でっかいクマのぬいぐるみ。
それはなかなか帰ってこられない亮司さんが、私に買い与えたもの。
私が「亮司さんって大きいクマのぬいぐるみみたい」と警護中から思っていたことを口にしたことがあった。
すると、「俺の代わりに」って、ある日突然全長1メートルもある茶色くてクッタリしたクマのぬいぐるみを買ってきてくれた。
目が真っ黒で、その間がけっこう離れている、のほほんとした顔のクマ。
っていうか私、子供じゃないんだから。
そんなものでどうやって、あなたを待っているあいだの寂しさをまぎらわせろと?
と一瞬は思ったけど、そのクマがあまりに可愛かったので、素直に喜んでおいた。
亮司さんがいないひとりぼっちの夜は、いつも一緒に寝ている。
頭がヤバイ私に意外と役に立っているクマなのであった。
「でも、今は邪魔」
真横で私たちを見ていた、というか亮司さんの横で寝ていたクマをどけて、私はそこへ身をすべりこませる。
ちょっと、一緒に寝よ。
と思ったのに、その男らしい鎖骨や胸がどうしても視界に入ってくる。