イケメンSPに守られることになったんですが。


早くしなきゃ。


スーツを脱いで、ハンガーにかける。落ち着いたらクリーニングに出そう。


ブラウスのボタンに指をかけ、ちらっと玄関を見る。


小さなワンルームだから、背の高い高浜さんがやけに近くに感じて、そのままボタンを外すのを躊躇した。


いくら女っぽくない私だって、男の人の前で服を脱ぐのは緊張する。


でも、しょうがない。


私はタンスから洗濯機で洗えるというズボラなセーターと、ウエストがゴムの楽ちんレギンスパンツを引っ張り出し、本格的に服を脱ぎ始めた。


スカートとストッキングを放り出し、ブラウスの前を全開にして腕を抜こうとする。


その時だった。



「……?」



窓の外に視線を感じ、恐る恐るそちらを見る。


すると、カーテンの隙間から、暗闇の中で何かが光るのが……、見えてしまった。



「ひゃうっ!!」


「どうしました?」


「何かいる!!」



私の声で、高浜さんは「すみません!」と言いながら、こちらを振り向いた。


がたがたと、窓枠が揺れる。


テロリストだ!!殺される!!



「誰かいるのか!!」



高浜さんは銃を構え、カーテンを開ける。


私は窓に背を向け、うずくまってしまった。




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