イケメンSPに守られることになったんですが。
亮司さんは至近距離で、くすくすと笑った。
「ごめんな、明日は朝からがんばるから」
「あ、朝から……それはいいから、ご飯はちゃんと食べて!
どうせろくなもの食べてなかったんでしょ?」
「うん。麻耶の作った飯が食べたかった」
「……食べたら、お風呂入って寝るんだよ?」
「はい。愛してるよ、俺の奥さん」
亮司さんは優しく笑って、私に触れるだけのキスをした。
それだけで、溢れてしまう幸せの井戸。
むしろ、泉?
そしてすぐ枯渇する。飢える。
こんなんじゃ、全然足りないと。
明日の朝になると、また満たされるだろう。
その予測はもう、恥ずかしいくらいに溢れて溢れて止まらないくらいの幸せ。
ああ、私は永遠にこうして飢えと洪水の間にいるのだな。
そうして私の言うことをおとなしく聞いた亮司さんは、すぐに眠り……。
朝、宣言どおり、私の寂しさを満たす……明らかにそれ以上の効果をもたらすために、がんばった。
それで出かける体力を失った私の横で、「これは恥ずかしいな」と、亮司さんがいない間に届いた『イケメンSP~』の見本を読みながら、プロテインを飲む彼は、いつもどおりで……やっぱりタフだった。
そしてこの朝の行為で亮司さんはめでたくパパになるのだけど……。
それはまた、別の話。
【end】