イケメンSPに守られることになったんですが。
今日は3日ぶりに帰ってきた亮司さん。
彼はなぜか、大きな紙袋を抱えていた。
「それ、なに?」
『高浜麻耶』になったばかりの私はたずねる。
すると旦那様になったばかりの人は、
「結婚祝いだって。特殊班から」
と優しく笑い、私にその紙袋を渡した。
袋の中にはご祝儀袋と、包装された平たい長方形の箱が入っている。
「わあ、なんだろう」
「さあ……一般的にはパジャマとか?」
たしかに、雑貨屋さんに行くとおそろいのパジャマとかが『御祝い』ののしをつけた箱に入って、ディスプレイされている。
「開けてもいい?」
「ああ、どうぞ」
まだ早い時間だったのもあって、夕食はあとにして、特殊班からの御祝いを開封することに。
個人的には、おいしいお菓子とかがうれしいんだけどな。
ピンク色の包装紙をはがし、箱を開けると、そこに入っていたのは……
「ん……?」
「……なに、これ」
まだスーツの上着を脱いだだけの亮司さんが、箱の中身をつまみあげる。
まるで、危険物に触れるように。
それは、フリルがたっぷりとあしらわれた、白いエプロンだった。
「わあ、可愛い!ドラマみたい!」
さすがに自分では買わないだろうそのエプロンは、昔の洋画に出てくるような可愛さだった。
「ん~でも、顔に合わないよね?」
おもいきり地味な日本人顔の自分に、このフリルは……。
もしかして、笑いをねらったのかな?