イケメンSPに守られることになったんですが。


「ほら、夕ご飯作ってくれるんだろ?」


結果……


私は、カウンターよりこっちに来ないという条件をつけ、世にも恥ずかしい恰好をさせられているのであった。


寒いからもうやめてと言ったら、春だというのに暖房を入れられた。


あ、あほだ~。私の旦那さん、あほだったんだ~。


「目が、目がぁ~」


「ムス○のまねはいいから」


……くそ、たまねぎ切って泣きまねしても、許してくれないみたい。


そもそも、許す許さないってなに?
私、何も悪いことしてないのに!


開き直った亮司さんは、カウンターに肘をつき、こちらを見下ろしていた。


「……お腹すいたなあ」


平気で、そんなことを言う。


「あなたが変なこと考えなければ、もっと早くできたんだよう!」


足元はスースーするし、脇を閉めていないと気が気じゃないから、集中できないんだってば!


「いや、そうじゃなくてさ。

俺、意外に肉食だから」


カウンターから離れたと思ったら、スリッパの足音が、近づいてくる。


ま、まさか……!


「……ちょ、おさわり禁止だからね!?

私、包丁持ってるからね!?」


「ていっ!」


「あう!」


忘れてた。
おかしなおっさんでも、相手はSPだった!






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