イケメンSPに守られることになったんですが。
亮司さんは簡単に私の手から包丁を落とし、後ろから抱きこんだ。
素肌に、ヤツの黒いジャージがざらざらと当たる。
それだけでびくりと震えた私に気を良くしたのか、亮司さんはさらに調子に乗って。
「……いただきます。」
低く甘い声が耳元で囁いたかと思うと、エプロンの隙間から、その大きな手をすべりこませてきた。
な、何十年前の官能小説なのコレ~!?
「やぁだぁぁ~!」
ご飯作る場所で、何してんの私たち。
でも、やだやだ言いながら、見事に翻弄されている私も何なんだろう。
亮司さんは、指先を滑り込ませたまま、耳元で言う。
「……立ったままだときついな。
麻耶、踏み台乗って」
さ、最初から身長差考えてぇぇぇぇ~!
結局私は、そのまま亮司さんに美味しくいただかれてしまったのであった。
亮司さんが休み明けに特殊班のメンバーに、肌のツヤが違うとからかわれたのは、言うまでもない。
っていうか、特殊班のバカ男ども!
こんなの亮司さんに覚えさせて、どうするのよ。
絶対許さないんだからぁぁぁ!
【END】