イケメンSPに守られることになったんですが。


しかし、背後で聞こえたのは銃声ではなく……



「ぶにゃお~」



…………ぶにゃお?


恐る恐るそちらを振り向くと、鬼の顔をした高浜さんが、口の片端だけを上げて、こちらをにらんだ。



「ただの猫じゃねえか」


「!?」



なんと!!構えただけでブラック高浜降臨!!



「今日は風が強いから音がしただけだ。

考えてみりゃさっき仲間が捕まったんだ。

SPがいるのもわかってるはず。

新しい作戦も立てずに、そう何度も襲撃してくるやつはいねえわな」



ブラック高浜はそう言いながら、窓とカーテンを閉めた。


あ、ああそうか……。


びくびくしてると柳の木も幽霊に見えるってアレか……


安心した途端体中から力が抜けて、立ち上がれなくなってしまった。



「……みっともねえな。早く着替えろよ」


「……!!」



ブラックの閻魔様みたいな声(聞いた事ないけど、多分こんな声だ)が脳天を直撃する。


気づけば私は、下着の上にブラウスを着ただけの姿のままだった。






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